4月9日(木)年々歳々

 このところの気温の変化は異常だ。昨日に増して朝は冷えた。午前中には太陽がが射し暖かくなったと思ったら、夕方から雲が多くなり気温が下がった。朝、仙台の先輩から電話をいただき、市内へ行く中のラジオから東京は桜が雨や雪で散ってしまったとか。確かに、桜開花が早かったが、季節が逆戻りしたかのような寒さ、と思えば暖か陽気と咲いては散り行く花が時の移ろいを忘却から救ってくれる感じだ。
 さて、河北、北上に行った。太田駅長と懇談し4月11日竣工式が行われる「川の上・百俵館」を訪ね、新たなコミュニティの拠点としての図書とお茶を楽しめる施設を見学した。百俵館は、従来から住む住民と防災集団移転で新たに住民となる方々が交流する場として利用される。名称も百俵館とは凄い。戊辰戦争後の長岡藩大参事を務めた小林虎三郎が、戦争によって長岡は廃墟となったが、小林虎三郎の掲げた「教育こそ人材を育て、国やまちの繁栄の基となる」という教育第一の思想が、お見舞いとして贈られた米百俵を学校に替え、そこから山本五十六をはじめ多くの有為な人物を輩出した。要するに、目先の利益にとらわれることなく、ずっと先を見据えていた小林虎三郎の姿勢が、米百俵を何万倍もの価値にしたというところからきたネーミングだ。こうなると、「年々歳々、花相い似たり 歳々 年々人同じからず」の唐詩の 一節を思い出す。施設の上の山の桜が綺麗に咲いていた。北上地区に挨拶し、夜は杉浦家、菅原家通夜へ、一層感じた。

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