7月9日(木)同じ轍
日本経済新聞春秋に古代シュメール文明について述べていた。紀元前5千年頃、後にメソポタミアと呼ばれるユーフラテス河の沿岸地帯に、ある農耕民族が住み着いた。彼らの住み着いた土地は、耕作や放牧に適しており、近くの湿地帯では、魚と鳥が常に豊富に得られるという生活するには理想的な環境だった。その農耕民族は、ウバイド人と呼ばれ、その後、千年以上もそこに住み着き、泥でレンガをつくって街や神殿をつくり、その後のメソポタミア文明の基礎をつくることになった民族である。彼らの有能で進取性に富んだ気性は、まもなく、この地を中近東で最も繁栄した地帯に押し上げていった。ただ、彼らは、文字を持たなかったので、詳しい記録を残すことはなかった。ところが、紀元前3800年頃、どこからかシュメール人と呼ばれる民族がやって来ると、信じられない大変化が起こった。文明の一大ブレークとも言うべき現象が起きたのである。メソポタミアの地は、わずかの間に、前例のない大繁栄を記録した。そして、空前とも言える政治権力が打ち立てられたのである。それは、美術、建築、宗教は言うに及ばず、社会機構、日常の細かな慣習から楔形文字の発明に至るまで、それらは、すべて、彼らシュメール人の成せる画期的偉業であった。世界最初と言われる船や車輪つき戦車なども、この頃、シュメール人によってつくられたのである。(「謎多きシュメール人!メソポタミア文明の起源」より)春秋の結びで『巡回展は、土には多様な役割があると説く。土中の微生物が呼吸することで、大気中の成分が一定になるようにしている。養分の一部は雨で川や海へ流れ込み、プランクトンの栄養になって生態系を支える。知れば知るほど、土を大事にすることは人類が生きるため欠かせない。シュメール文明の轍(てつ)を踏まぬようにしたい』。まさに、過日「森は海の恋人か?」でお話しさせえていただいたものと同じだ。
さて、雨の中、NPO法人の役員変更登記の為に先月から「商業・法人登記事務の取扱庁変更」で変わった仙台法務局に申請に行った。帰りに、漁信基ビルに寄り、古巣でお世話になった宮城県漁業信用基金協会とベガルタ仙台で懇談してきた。午後2時過ぎ、仙台法務局から電話があった。昨日、石巻支局へアンケートで周知など意見を書き込んできた対応とのことで、本日本庁で申請したことを伝え、①周知、②変更に従来より時間を要する、③利便性などお話しした。早い対応に敬意を表しながら改善は利便性の向上にと申し上げた。帰りに、本屋で幕末と環境の本を購入、シュメール文明ではないが、同じ轍を踏まぬようにしたい。