6月15日(水)慈眼を具える

 「慈眼を具える」を読む。お釈迦さまがご在世当時のインドに、コーサラ国という大国があり、その国の王さまが、あるとき「私がつらつら考えてみるのに、どう考えても自分より愛しいものはない。そなたはどうか」とお妃に尋ねたのですが、お妃も、考えてみるとやはり自分がいちばん愛しい。それで、お釈迦さまにおうかがいしてみることにしたのです。その王と王妃に対して、お釈迦さまは、「自分がいちばん愛しいと知ったら、人もまた自分がいちばん愛しいと分かるはず。だから、人を害してはならない」と教えられたという。
 そこで、私たちはふだん、自分の立場からしかものごとを見られないのですが、そこで一度踏みとどまって、相手の立場に立ってみる。相手の立場に立って考えてみる。すると、同じことが、まるで違って見えくる。人さまの立場に身を置き換えて見直すことができるようになることが、「慈眼」を具えることだといってもいいと。時間を予約し散髪に行って例の如く話に花咲いていたが、随分感じた。いくつになっても勉強だ。

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