1月30日(月)見えない洪水
日本経済新聞春秋に「見えない洪水」が掲載された。宇宙開発で有名な工学者の糸川英夫さんたちはそう名づけたもので、『いずれ訪れるかもしれない危機を「ケースD」という近未来小説にまとめたのは1979年。インターネットなど、まだ影も形もなかったころだ。』と。小説の舞台は20世紀末の米ソ冷戦は終わり世界の中心は国連に移っている設定で、その国連が特定の勢力にこっそりのっとられ、食料、エネルギー、気象などの偽情報が流され続ける。本当の修羅場はその次だ。この事実が暴露されると、人々は不安から口コミだけを信じ、不確実な情報の拡散とテロで世界は大混乱に陥ると。当然ながら現実は、小説と異なり現実の世界は幸い破局には至っていないが、見えない洪水はひたひたと押し寄せているかのようだ。『恐ろしいのは、大統領から一般のネット投稿者まで、あからさまな嘘を連発する人が増えて受け手が「嘘慣れ」し、事実が何かなどどうでもいいと感じ始めることかもしれない。糸川さんらは見えない洪水への対抗策の一つに「高水準の教育に支えられた人々の情報選択能力」を挙げた。話の真贋を見極める目が問われる。』と結んでいる。
新聞を見ると見えない洪水を感じる時があるが、「正しきを踏んで恐れず」の精神で春陽気のような暖かな挨拶回りに心もあたたくなる。思いをしっかり伝えていく。