12月9日(月)口

 課題が山積し、相談ごとも多い。福祉問題はじめ、なんと門が広く奥が深いのだろうか。また、解釈の違いは信頼関係が崩壊すると耳に入らず口からの声は必要な部分にしか反応しないようだ。
 さて、タイムリーに日本経済新聞の遊遊漢字学に『言い、食らう「口」の機能』阿辻哲次さんが掲載されていた。『人間にはクチが一つしかないから、口の数と人の数はかならず同じになり、そこから「人口」ということばができた。何らかの組織や集団に所属する人をクチで数える例は古くからあって、『孟子』(梁恵王上)に「八口の家、以(もっ)て飢えることなかるべし」(八人所帯の家でも食べものに困らない)とある。中国最古の漢字字典『説文解字(せつもんかいじ)』に「口は、人の言い食らう所以(ゆえん)なり」とあるように、器官としてのクチはものを食べることと、言葉や音を発するという、二つの機能を持っている。だから「呑」や「味」「啖う(くらう)」「囓る(かじる)」などの….』漢字も楽しい。音声や息を出す「咳」「啼」「吹」「嗤」。口の機能は言語より飲食、これを楽しむ五味など深い。だから『物言えば唇寒し秋の風』と戒めているのかも。

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