11月20日(土)賢い

 日経の文化面に長野県松本市での演劇祭について掲載された。在任18年、まつもと市民芸術館の芸術総監督、串田和美が「コロナ禍から祭りを」との思いをこめた手作りの催しについての取材。「投げ銭」を取り入れ、共感をベースにした運営は松本ならでと地域密着の試みは地域振興の鍵を握る。石巻市も今月3日開幕した「第5回いしのまき演劇祭」は、東日本大震災以降、石巻を元気にしようと地元の役者らが中心になり、2016年に始まり、昨年は新型コロナウイルス禍で中止になり、2年ぶりの開催。今回のテーマは『コロナ禍で静かな石巻に演劇の灯りを』で、松本市同様に共感し支えあう地域演劇の力で石巻を元気にできればと思う。
 さて、日本経済新聞1面に『経済対策 見えぬ「賢い支出」』が掲載された。昨日政府の臨時閣議で、財政支出が過去最大の55.7兆円となる経済対策を決めた。岸田文雄首相は赤字国債発行も含めて財源を確保すると説明した。未来の成長を呼び込む「賢い支出」とは言いがたい項目が目立ち、目標とする「成長と分配の好循環」につなげられるかは見通せない。民間資金も入れた事業規模は78.9兆円と経済対策としては過去2番目に膨らんだ。幅広い世帯への現金給付や旅行・飲食補助などを盛り込み、財政支出で55.7兆円で事業規模で78.9兆円に膨らんだ。新型コロナウイルス禍で困窮する弱者を支え、景気の回復を後押しするのはいいが、大盤振る舞いがすぎるのではないか。これが賢明な経済対策とは言い難いというものだが、まさに賢いがキーワードだ。成長せずに、借金だけが膨らむのは持続的な成長へと繋がらない。

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