8月23日(火)ムード
一夜明けても夏の全国高校野球で、東北勢初となる優勝を果たした仙台育英高校の話題で持ちきりだ。SNSも朝刊の扱いなど凄い。選手たちが、本日、白河の関付近や午後3時頃に仙台駅に到着模様、仙台市役所前のお祝い看板をはじめ祝賀ムードも大きい。今月20日で石巻日日新聞を退職した同じ歳の本庄雅之さんが載せていた所感『盆と正月に加え、クリスマスがやってきたような騒ぎである。陳腐な例えしか浮かばないのは、お許し願いたい。108年目の悲願達成を報じる各紙は、高校野球の報道では史上稀に見る大展開となった。スポーツ4紙(日刊、報知、スポニチ、サンスポ)は当然として、河北新報も社史に刻まれるような歴史的な紙面で快挙、感動を伝えている。トップの写真は、どれもが優勝の瞬間のマウンドである。微妙にアングルの違いや時差があって甲乙つけがたいのだが、河北の写真が素晴らしい。選手の顔はほとんど横向きか後ろ向き、というか顔がまともに見える選手が少ない。それでも、心底勝った喜び、全員の心が一つになった瞬間を切り取っているから、まるで雄叫びやスタンドの歓声が聞こえてくるようだ。3塁側ダッグアウト付近からの撮影だと思われるが、ちょうど仙台育英の応援席が背景になっていて、チアリーダーたちの黄色いポンポンが、祝福の花のように彩りを添えているのもよかった。山本武志カメラマンに座布団100枚進呈!それに勝るとも劣らないのが、日刊スポーツだ。他紙に比べて、歓喜の輪ができるちょっとだけ前のカットになる。高橋投手を中心に5人がマウンドに集まって喜びを爆発させている。後ろ向きの背番号6が飛び上がっている躍動感、それと1塁側ダッグアウトから飛び出してはち切れんばかりの笑顔で駆け寄る選手たちのなんと清々しいことか。大きく使うことで「映え」が際立った。実は、ほぼ同じ写真がスポニチの2面に掲載されているが、微妙に角度が違っていることが分かる。こちらも小さな扱いではなかったが、1面と終面のつなぎ紙面という大展開で使った日刊の大胆編集が、奏功した。
今回のキーワードは、「白河の関越え」だった。現地でのパブリックビューイングを伝えているところもあった。その割には、白河の関って何?という読者の疑問に答える記事が目立たなかった。特に若い世代には、知らない人が多いのではないだろうか。地図付きで説明していたのは日刊と報知だけ。「河北新報」の河は、白河の河なのだから、改めて解説して欲しかったと個人的に思う。
優勝に導いた須江監督の「宮城、東北の皆さん、おめでとうございます」という挨拶もユニークだった。かつてヤクルトを率いて優勝した若松監督が「ファンの皆さん、あのう、おめでとうございます」と言ったのが思い出されたが、意味合いは全く違っていて、本心から出た誠の言葉として受け取れた。この監督は、苦労人らしく、いつも礼儀正しく的確なコメントをする人だと思っていたので、優勝インタビューの一問一答を唯一掲載した報知はファインプレーだと思う。「変な表現なんですけど、宮城大会の1回戦とまったく同じ空気感なんですよ。そしてやることがうまくいっちゃっている謎の風が吹いていたので、やることやれば結果は後からついてくるから、強気な姿勢と冷静な思考、そして笑顔を忘れずやろうぜと話しました」。こういう美味しい話を報知以外では読めなかった。
他にも読み比べの面白さはいくらでもある。いずれ整理してみたい。とりあえず本日はこれにて。』と。見方が面白い。
夜8時過ぎ自宅に戻ると宮城県では新たに4,112人が新型コロナウイルスに感染。20日4,784人、19日4,567人、10日4,199人に次いで過去4番目の感染者数となった。市町村別では、仙台市1,829人、大崎市283人、石巻市267人、名取市231人、多賀城市122人、登米市118人、利府町110人、塩釜市104人、栗原市102人、柴田町・富谷市各83人、岩沼市74人、大和町70人、白石市67人、気仙沼市63人、大河原町57人、角田市・亘理町各50人、東松島市49人など。全国では、208,551人。東京都内では21,770人が感染。1週間前の火曜日と比べると1,741人減った。