5月25日(木)窮まる
日本経済新聞春秋に『「これから株式相場が上がるらしいんだ」。ちょうど20年前のいまごろ、ある金融機関のトップからそう言われた。根拠をたずねると、「占師から聞いた」という「え?」。クエスチョンマークが頭に浮かんだが、うれしそうな表情を前に突っ込む気になれなかった。長引く株価の低迷で、日本経済は体力をすり減らしていた。株安で財務が脅かされた経営者は、ぎりぎりの緊張状態のなかにあった。占いで会社の方針を決めるのなら…』が掲載された。足元で3万円台の株価が続いていることへの提言だ。中国古代の占いの書で、儒教の経典でもある「易経」の『窮まれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久しい』を引用、行き着くところまで行けば新たな展望が開け、それが長く続くという。さて、吉と出るか凶とでるか、試されている。
さて、『人口戦略法案 人口減少を止める方策はあるのか』山崎 史郎著(日本経済新聞社)を購入し読む。描かれる世界は、すべて現実を基にしている。これまで何度も人口減少対策について論じてきた。本書は、人口急減の深刻な現状、抜本解決の途を小説スタイルで説く衝撃作だ。「『小国』に向かう日本」。海外のシンクタンクが、日本政府の「一億人国家シナリオ」を非現実的とするレポートを公表した。危機感を抱いた内閣府の統括官や参事官は、人口問題の現状分析と解決策の策定に動く。そこで明らかになるのは、日本の人口問題のあまりに深刻な現状と、解決の難しさだ。政府内に設けられた「人口戦略検討本部」は、多くの識者の意見を聞き、また議論を重ねて抜本的な改革案を得る。実現に向け法案成立に動き出すが、そこには様々な障害が立ちはだかり……。他人事ではない。昨日聞いた講話の件もあり、事実確認も含め担当部と課へ。しっかりと対応しなければならない。そこへ、議会事務局から『全国市議会旬報2229号(5月25日号)』のメールだがタイムリーだ。「市議会議員定数に関する調査結果(令和4年12月31日(現在)」概要だが調査時点の815市区議会議員の定数は合計1万8876人。ようは、人口減少に対して議員数も減少している。減っていないのは、国会議員と当市だ。しっかり痛みを伴い身を削る改革が必要だ。