7月8日(月)報徳
都知事選から一夜明け、いろいろ分析やコメントなど出ていた。生憎、朝から雨だったので、ゆっくり各紙に目を通した。日経では、『小池知事8年の貫禄 「3期目さらに加速」』、蓮舫氏「きつい敗戦と思う」、石丸氏全力を尽くせた」など。tvでも無党派層や年代別・政党別の出口調査など。その前の紙面に『安倍氏銃撃 遠い初公判』と安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人罪などで起訴された被告(43)の初公判の見通しが立っていない。本日で発生から2年。動機を巡る情状や凶器となった手製銃の位置づけなど、争点整理に時間がかかっているとみられ、来年以降との見方も出ていると。3回忌になるのかと思うとしっかりと検証して、人の命の重さ尊さをわかっていただきたい。奇しくもその隣に『移ろう二宮金次郎の実像現代社会に「分度」の思想を』が掲載。6月21日。兵庫県三木市役所で市有財産の一般競争入札があった。売り出されたのは閉校した小学校に鎮座していた二宮金次郎(尊徳)像である。江戸時代後期に、疲弊した農村や藩政の改革に尽力した人物だ。同県姫路市の男性が約55万円で落札したこの像は、戦後に設置されたものだ。が、薪を背負って本を読む金次郎は、昭和初期から各地の学校に広がったらしいと。大学時代、二宮尊徳について学習したが、江戸時代後期に道徳と経済の両立を説いた「報徳思想」を唱えて、荒れてしまった農村の復興を指導した。「二宮翁夜話」に名言がたくさんあったことを思い出す。「児童の教育方針にそぐわない」などで撤去されたが、この報徳こそ、二宮尊徳が独学で学んだ神道・仏教・儒教などと、農業の実践から編み出した、豊かに生きるための知恵だ。撤去により薄れていくことが、教育力の低下を招いているのではと思う。午前中、バケツをひっくり返したような土砂降りだった。予報通り、午後から止み、昨日願ったように温度も下がった。教育力や道徳観など下がってなならない。「一国の首都はたとえば一人の頭部のごとし」。幸田露伴の論文「一国の首都」は書き出しから「東京愛」たっぷりだ。本人が江戸っ子というだけではなかろう。明治になってはや32年。世界に誇れる大都市をつくらねばならぬ。そんな気概と理想が全編を貫いていると春秋に紹介されていた。豊かな心を持ち注視しながら精進していきたい。