10月9日(水)共感の鐘

 日本経済新聞文化面に『「のど自慢」鐘を鳴らして21年 鐘の音に込めた共感 秋山気清(打楽器奏者)』が掲載された。毎週日曜日の午後0時15分から始まるご長寿番組「NHKのど自慢」。日本全国の市町村を訪れてアマチュア歌手に歌声を披露してもらう同番組で、私は2002年から23年までの21年間、歌の出来栄えを評価する鐘の奏者を務めてきた。のど自慢に出演しはじめたのは40歳の頃。当時の私はオーケストラ所属の打楽器奏者で、空いている土日は歌謡曲番組などに不定期で助っ人出演していた。のど自慢も、そうした番組の一つ。前任者が体調を崩して入院したのを機に「これからは毎週鐘を鳴らしください」と頼まれ、58歳で専属の奏者となった話が書いてある。ただ審査員の指示通り鐘をたたくことから歌う人の気持ちなってたたいてもらうことが大事だと言われ、出場者の歌に耳を澄ませてメッセージを鐘に込めたという。合格の鐘3つは「ドシラソドシラソ」の8音で助走をつけて「ドーミーレー♪」の3音はこころもち強めにハッキリとした音でたたき「やりましたね!合格ですよ!おめでとうございます!」という秋山さんの祝意を込めていたと。ほっこりする話だ。21年間の思い出をまとめた本『あの鐘を鳴らしたのはわたし』を8月に刊行している。
 さて、午前中は区や地域コミュニティの件で奔走。注目の臨時国会は会期末の本日、参議院本会議で閉会に向けた手続きがとられた。その後、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党は、今の政権は国会審議よりも党利党略を優先させているなどとして石破内閣に対する不信任決議案を提出した。このため、午後3時半から予定されていた衆議院本会議は開始がずれ込み、午後4時から開かれた。衆議院本会議では、林官房長官から、紫のふくさに包まれた解散詔書が額賀衆議院議長に伝達され、額賀議長が「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と解散詔書を読み上げ、衆議院は解散された。衆議院の解散を受けて、政府は、午後に改めて臨時閣議を開き、来週15日公示、27日投開票という衆議院選挙の日程だ。秋山さんの思いを込めての鐘のように、解散から投開票までの期間は18日と3年前の17日に次ぐ短さとなっている。投開票は石破総理大臣の就任から26日後に行われ、これも戦後最短となっていて、それぞれどう言う思いが込められているのだろうか。和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」共感の鐘を鳴らし欲しい。

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