10月15日(木)杜子春

 『突然、仙人が現れる。路上生活で食べ物にも困っていた若者が大金持ちになり、ぜいたく三昧に暮らす。使い尽くして無一文になると、また、黄金を掘り当てる。なんど繰り返しても、満足できない。唐代の伝奇小説を翻案した芥川龍之介の「杜子春」の筋立てである。いくらお金があっても幸福を感じられない。人の世に愛想が尽きた杜子春は、仙人になろうとするが、あまりにも厳しい修行に耐えられない。あきらめて人間らしい、正直な生活がしたいと望む。最後は、仙人から山の麓にある畑付きの一軒家をもらう。家があり畑仕事もあるのだから、それなりに幸せになれたのだろう。』日本経済新聞春秋に書いてあった。この作品は、芥川龍之介の短編小説で1920年(大正9年)に雑誌『赤い鳥』にて発表された。中国の古典、鄭還古の『杜子春伝』を童話化したものだが、幼少の頃に読んだ作品で、『はらはらと涙を落しながら、「お母さん。」と一声を叫びました。……』が印象的だった。
 朝から、福貴浦漁港(鹿立地区)の現場、先輩達の知恵、海岸線の魚つき保安林を眺め古巣の漁協石巻市東部支所で「大漁まつり」石巻かきブランド事業委員会の打ち合わせを終えてから懇談会、介護制度から健康寿命までいろいろ話題となってボランティアによる互助の必要性が問われていると。なるほどだ。春秋の結びは『日本人の幸福感は世界でも低い方らしい。豊かな中高年が特に低い。調べた大竹文雄阪大教授が妙案を出している。寄付などで人のためにお金を使うといいそうだ。社会の役に立っていると感じると、たちまち幸せになれる。とうに知ってると昔の人は笑うかもしれない。情けは人のためならず、と諺にもあるほどだから。』で、満足度、昨日の続き「足るを知る」か。

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