11月5日(木)現場

 『森鴎外の「雁(がん)」は鳥類図鑑のコーナーに収まり、芥川龍之介の「芋粥(いもがゆ)」は各種料理本に交じり、宮沢賢治の「注文の多い料理店」はグルメガイドの仲間に――。まさかそんな図書館が、と笑ってはいけない。最近、似たような出来事が実際にあって物議をかもしている。「TSUTAYA」を展開する会社が運営する、神奈川県海老名市立中央図書館の話だ。東野圭吾さんの小説「手紙」が「手紙の書き方」の棚にあったり、旧約聖書の「出エジプト記」が海外旅行の本に分類されていたりして、市民から批判が相次いだという。間もなく修正されたそうだが、利用者の困惑顔が目に浮かぶ。・・・』と日本経済新聞春秋。
 そう言えば、第1号の佐賀県武雄市に視察でお邪魔した時に、導入した樋渡市長と懇談したことを思い出した。旧弊を打ち破ろうという試みは本当に優れていたが、図書館で大事な選書と配架で先のような事が起きているのでは、雰囲気が良くても本来の役割は・・・。形式ではなく現場にあった対応が大事だ。いろいろ伺い課題点も見える。
 さて、叙勲をいただいた方にお祝い色紙と懇談、長年にわたって現場で対応してきた方々の本物は何より素晴らしい。

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