9月8日(木)共生

 思ったより、天気予報が当たっていない。しかし夕方になり、台風から変わった低気圧と前線の影響となった。とりわけ宮城県内は、今夜遅くにかけて、1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るところがある見込みで、気象台は、土砂災害などに警戒するよう呼びかけていた。台風が来ないと言いながら例年並みに続けて上陸し帳尻を合わしている。自然と共生できる社会、が必要だ。
 さて、オリンピックの熱気が一段落したのもつかの間、同じブラジル・リオデジャネイロで障害者スポーツの祭典、パラリンピックが本日(日本時間8日)開幕。肉体の限界を超えて頂点を目指すアスリートを応援するとともに、もう一つの五輪の意義を考えたい、と河北新報社説だ。
 12日間の期間中、22競技528種目が行われ、約160カ国から約4350人の選手が参加する。ゴールボールなど、目にする機会が少ない競技も多い。テニスやバスケットボールなどは車いすでのプレーになる。日本からは132人の選手団が臨む。東北関係選手は9人。車いすバスケットボール男子の藤本怜央選手(仙台市在住)=宮城MAX=が、選手団主将を務める。チームからは藤本選手のほか、藤井新悟選手(秋田県美郷町出身)、豊島英選手(いわき市出身)も選ばれている。陸上男子砲丸投げに出場する大井利江選手(岩手県洋野町出身)は、4大会連続の出場で68歳。2004年のアテネでは円盤投げで「銀」、08年北京では「銅」を獲得し、「鉄人」とも称される。
 障害者スポーツは、社会的な理解が進んでいるとは言いがたいのが実情だ。歴史的に傷病者の「治療」や「リハビリ」などの側面を有してきたこともあり、「見るスポーツ」という認識に欠け、競技力向上策も遅れていた。実際、オリンピックに向けた一般の選手強化が文部科学省所管だったのに対し、障害者スポーツは厚生労働省の所管と縦割りになっていた。14年度、スポーツ庁設置の動きが加速する中で、やっと一元化された経緯がある。パラリンピックの日本代表選手を対象としたアンケートでは、約2割がスポーツ施設の利用を断られるなどの経験をしていたという。ことし4月、障害者差別解消法が施行されたが、代表クラスの選手であっても、練習環境確保への壁がまだまだ高いことを物語っている。
 障害者スポーツが抱える課題は、日本だけのものではない。今回のリオデジャネイロ大会でも、チケットの売り上げ不振やスポンサー不足で、組織委員会が8月中旬、自力での開催が危ういと発表していた。予定していた会場の一部が変更され、運営費として公的資金も拠出される事態に追い込まれた。パラリンピックはパラレル(平行、同様の)とオリンピックの造語で、「もう一つの五輪」という意味だ。二つの大会はコインの裏表の関係にあり、どちらが欠けてもなりたたない。20年の東京でも、パラリンピックの成功なくして、大会の成功はあり得ないだろう。リオと同様の課題が、4年後にも問われるようなことがあってはならない。7月にあった相模原市の障害者施設殺傷事件では、障害者と健常者の「共生社会」というテーマが、クローズアップされた。スポーツの世界で障害者が生き生きと輝ける環境が育まれれば、社会全体に浸透していく。パラリンピックが、そのきっかけの一つになることを強く望みたい。』共生への歯車がしっかりと開催できるよう推進したい。

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