3月26日(月)覚悟
昨夜から解禁の小女子漁、通称ランプ網で朝、石巻魚市場に漁を終えた漁船23隻が、次々にコウナゴを水揚げした。石巻で春の漁の本番を告げるコウナゴが初水揚げとあって、初入札では、1kgあたり平均1,290円の値がつき、例年より高値となった。天気も呼応するように、高気圧に覆われて青空が広がった。山越えの暖かな風が吹くフェーン現象で、日中の気温が上昇し石巻市も20度を上回った。
さて、活気あふれる状況とは相反するが日本経済新聞春秋で紹介のあった、『思ふこと成るも難きも国の為尽くす心は四方に聞こえつ……。島崎藤村の父、正樹が明治のはじめに詠んだ歌である。股旅物で知られた作家・長谷川伸の案内によると、長野県の下諏訪に「魁塚」という記念碑ができた際にささげたそうだ(「相楽総三とその同志」)。魁塚が追悼しているのは8人。尊王の理想を抱いて倒幕の活動を繰り広げた、いわゆる「草莽の志士」たちだ。薩摩藩の西郷隆盛の指示で武力倒幕の下ごしらえをし、戊辰戦争では維新政府軍の文字どおりさきがけとして、中山道を東へ向かった。その途中、政府軍に「偽官軍」のレッテルを貼られて処刑されたのである。リーダーの相楽総三は、藤村の名作「夜明け前」にも「相良惣三」として出てくるので、ご存じの方は少なくあるまい。8人が首を打たれたのは慶応4年3月3日。半年ほど後に明治政府は元日にさかのぼって改元したので、明治元年とすべきか。いずれにしろ西暦では1868年3月26日。150年前のきょうのことだ。』という。出歩くところ過日の小さなミスの認識に重大な危機感を抱いている方々多い。春秋では、『維新のころ非業の死を遂げた人は多い。味方に裏切られて汚名を着せられ処刑された相楽たちの最期は、わけてもいたましい。だからこそ下諏訪の人たちは、公的な「名誉回復」の半世紀も前に魁塚を建てたのだろう。尊王家の島崎正樹は歌をささげたのだろう。今年は明治150年。虚心に歴史をふりかえれば、切ない。』と結んでいる。切ないこと多すぎる。