6月19日(火)再点検

 日本経済新聞春秋『「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向がある……」。1934年、地球物理学者の寺田寅彦は「天災と国防」と題する随想にこんな一節を残した。きのう、大阪府北部で震度6弱を記録した地震の被害が明らかになるにつれて、指摘は身にしみてくる。今回の地震では、倒れたブロック塀や本棚の下敷きになって死者が出たほか、多くの人がけがを負った。加えて、通勤の電車や新幹線が長い時間、運転を見合わせて、水道やガスなどにも影響が及んでいる。「いやが上にも災害を大きくするように努力しているものはたれあろう文明人そのもの……」。寺田の忠告である。・・・』と。河北新報社説に『40年前、1978年に起きた宮城県沖地震に引き戻される。地震の死者28人のうち、子どもや高齢者ら18人はブロック塀などの倒壊が原因とされた。地震を教訓に81年、建築基準法が改正され、ブロック塀や石塀の高さが2.2メートルまでに制限され、鉄筋の使用などが義務付けられた。宮城県などは危険なブロック塀の撤去費用を助成するなどの対策を講じた時期もあったが、再設置に費用がかかるなどの理由で撤去しない人もおり、危険箇所が完全に解消されたわけではない。』と誰しも同様に思ってのことだ。
 さて、4月28日(土)から始まり行きたいと思っていた『東日本大震災復興祈念特別展「東大寺と東北-復興を支えた人々の祈り-」』の東北歴史博物館へ行った。東日本大震災からの復興を祈念する展覧会、昨日の大阪の地震もあって大勢の方々が来場。東大寺や東北地方に残されてきた数々の史料や寺宝の展示を通して、東大寺の歴史と復興の道のりで1日も早い復興の「未来への道標」となりますように、そして再点検だ。

コメントは受け付けていません