9月15日(日)和食
日本経済新聞春秋に『日本のサンマ漁は江戸時代、紀伊半島周辺で興ったといわれる。その紀州生まれの中上健次に、地元で水揚げされるサンマに触れたエッセーがある。黒潮にもまれた末に紀伊沖へ回るサンマは、身が固くしまっているそうだ。脂は落ち、丸ごと焼くのには向いていない。だからワタを取り、かんきつの酢でしめて姿ずしにする。脂が多くては難しい、紀州まで来たサンマでこその一皿だ。紀州を離れたら食うに食われぬ――。中上はそんなふうに説いた』と。郷里の食べ物は人の心を洗うと食文化を述べていたが、まさに実りの秋を迎える。
さて、太陽が眩しく輝いているが、時折、雲に隠れ暗くなる。長月も早くも15日。陰陽の中、小積浜五十鈴神社参拝し榊を頂戴し神棚へ。あっという間に、どんよりしたと思ったらポツポツと雨。予定通り、「ツール・ド・東北」がスタート。ライダーのみなさん、ありがとうございます。気をつけて走行して下さいとSNS発信。雨が強くなってきて、宮城県松島自然の家の野外活動フィールド内コテージ棟前芝生からコテージ棟内に移り「とっておきの音楽祭in東まつしま」がスタート。障がいのある人もない人も一緒に音楽を楽しみ「心のバリアフリー」を目指すストーリート音楽祭。2001年にせんだいで始まり全国25箇所開催されるようになった。合言葉は「みんなちがって みんないい」。本田実行委員長さんの挨拶、「夢みの里 合唱団」「てあわせ・のはら」「HUDDLE」「HEART BEAT」「アフリカン ジルべ」「バンジョー・大久保」のみなさんが会場いっぱい元気に披露して、元気倍増だ。お昼が過ぎて、朝の春秋ではないが、娘が観たいと言っていた東北歴史博物館で開催されている「和食展」へ。雨降りなので混んでいないと思ったら、人がいっぱい。和食展は、日本食を食材や製法、食の歴史など幅広い観点から学べる展示。和食って何だろうから日本と世界の食、和食の基本の決めては地質(水)、きのこ・毒キノコ、山菜、地ダイコン、野菜、米、魚介、海藻、和食の成り立ちなど楽しめた。特に、郷土史家にとっても嬉しく、和食は、自然との共存している縄文時代の食まで遡る。縄文時代は、約16,000年ほど前から3,000年前まで続いた狩猟採集生活からマメやクリなどを選択的に取り入れ土器により水田稲作が本格化すると和食の根幹となる「米と魚」の食文化が形成されはじめる。和食のあけぼのの弥生時代へ、そして平安時代の食、織田信長の饗応膳、和食の広がりと意義深く見学出来た。遅い遅いランチをいただき、ゆったりと自宅で歴史書でタイムスリップ。