11月7日(木)能登町
天気も良く、爽やかな朝だ。米大統領選はハリス氏を破りトランプ氏が再登板することとなった。ホテルの読売新聞社説に「トランプ再登場でどう変わる-亀裂の修復と秩序の再建が急務-」通例なら複数回行われる大統領候補の討論会は、トランプ氏とハリス氏との間で1度しか行われず、罵ののし り合いが目立った。今後は、米国が在日米軍駐留経費の日本側負担の大幅増などの要求を突きつけてくる事態が予想される。安倍晋三元首相がトランプ氏との間で築いたような個人的関係に頼ることはできない。日本として主張すべきは主張しつつ、同盟関係の維持と強化を図らねばならない。日本の外交力が試されるとまさに最初が肝心だ。隣の記事に『中間貯蔵施設稼働』原子力発電所の敷地外で使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市)について、原子力規制委員会は6日午前、設備上の検査が完了したことを示す「使用前確認証」を交付することを決めた。全国初となる中間貯蔵事業が、同日中にも開始される見通しとなったようだ。
さて、2日目の行政視察は、能登町役場4階全員協議会室で開催。歓迎の挨拶を能登町議会議長金七祐太郎さん・能登町長大森凡世さん、石巻市議会総合防災対策特別委員会丹野清委員長が挨拶して研修テーマの「能登半島地震の被害状況と今後の対応について」危機管理室長道下政利さんからご説明いただいた。能登町は、平成17年3月1日、能都町・柳田村・内浦町が合併して誕生した。 人口は、約1.4万人、面積は、273.27㎢である。 能登町は、能登半島の北東部に位置し、北は珠洲市と輪島市、南西は穴水町に隣接し、東と南は富山湾に面して海岸線が続いている。 気候は、日本海特有の四季が明瞭で、冬季の降雪も全国的に見れば多いが、年平均気温は13℃前後で、年降水量は1,700mm前後である。 産業分野では、豊かな自然を背景とした第1次産業が町の基幹産業となっている。農業では、稲作をはじめとして、ブルーベリーや能登牛が特産品となっており、漁業では、イカ釣漁業と定置網漁業が全国的にも有名で、定置網で獲られたブリは「宇出津港のと寒ぶり」としてブランド化されている。平成17年7月には小木港に海洋深層水施設が完成し、塩や脱塩水をはじめ、加工品など関連商品の開発が進んでいる。 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、震度6強の揺れが観測され、建物倒壊等の甚大な被害がもたらされた。令和6年能登半島地震による能登町の被害状況(R6.11.1現在)【人的被害】死亡41名(39名)行方不明0名重傷28名軽傷25名、【家屋被害】住家非住家全壊計6,225非住家 7,170。写真による地区別被害状況、応急対策職員派遣制度、公費解体の状況4,908棟中655棟で来年10月末を目標にしている。課題・失敗・困難事例(避難所関係)では、1想定を超えた避難者数の場合、備蓄品が1日でなくなる→正月休みで人口が1.5倍。乳幼児も多数でミルクやオムツが枯渇→想定を越えた場合の想定が必要(企業との協定や自治体間の支援等)、2携帯不通のため自主避難所の状況把握が困難→発災当初は自衛隊が孤立集落と自主避難所のニーズ調査と物資配布、3国のプッシュ型支援では3日目からおにぎり、パン、水が大量に届く→届いた日or翌日が消費期限→支援物資では3食をまかなえない状況が続く、4透析患者の把握→DMATの調整(ヘリ等で搬送)、5感染症が蔓延した場合の隔離場所の確保→教室、インスタントハウス、自家用車、一時帰宅等、6避難者数がある程度減らないと段ボールベッドが設置できない→衛生面の改善(掃除、消毒、土足厳禁)、7避難者の栄養問題(タンパク質、ビタミン、食物繊維の不足)→便秘(トイレ回数を減らすため水分を控える)→タンパク源は缶詰(サバ、焼き鳥等)→ビタミン剤→コンビニ弁当(2/9~)は週二日で「唐揚げ弁当」と「のり弁当」のみ→水道復旧に伴い、3/4から地元飲食店による弁当配布(週4回、広域避難所のみ)、8避難所配置職員の負担軽減→当初、町開設避難所の夜勤は職員が担当日勤→避難所→日勤の職員多数→自主運営化(職員を配置しない)集約化(配置場所を減らす)→対口支援に夜勤を依頼、9支援職員の確保→対口支援県との調整、10道路被害が甚大で2次災害の危険性→滑落、亀裂、段差、マンホールの浮上→採石とカラーコーンの不足、11電力の確保→発電車、発電機、電気自動車・燃料(ガソリン・軽油・灯油)の枯渇→道路被害のためタンクローリーが来ない→GSは緊急車両優先車中泊避難者や車通勤職員の燃料不足、12通信の確保→スターリンク(通信のみ)移動基地局(キャリア限定)衛星電話(使い勝手が悪い)→デュアルSIMが有効、12 課題・失敗・困難事例(インフラ関係)、13水の確保→給水車(日本水道協会、自衛隊、姉妹都市、応援自治体)スケジュール、配車等を日水協に任せる→飲料水(ペットボトル)→生活用水(井戸、山水、農業用水、防火水槽、川水)、14トイレの確保→仮設トイレは経産省がプッシュ型支援→トレーラートイレ、トイレカー、バイオトイレ、ラップポン、凝固剤付き袋、15風呂の確保→循環型シャワー自衛隊入浴支援(水、排水、駐車場の確保)、16洗濯の確保→ランドリーカー、避難所に洗濯機設置民間のランドリーサービス(DSAT)、17応急危険度判定は全棟行うべき→被害の全容がわからない。後のボランティア活動にも支障あり、18被災宅地危険度判定を実施すべき→宅地被害が把握できず、宅地復旧に関する国県への要望ができない→人工擁壁に対する復旧メニューがない(特例はあるが採択要件が厳しい)→被災者生活再建支援金の区分に「敷地被害解体」、19住家被害認定調査は全棟調査をやるべき→調査の効率化。郵便が回復しない場合も→住家被害認定調査の詰所、車(レンタカー)、運転手(町職員)の確保→応援職員のマネジメント(1週間ごとに交代)→税務課職員の著しい負担増、20支援職員の確保→対口支援県との調整→過去の災害では応急対策職員派遣制度の派遣期間は概ね3カ月程度能登町では5月末まで(2次調査の目途がつくまで支援)、21 課題・失敗・困難事例(その他)、22情報伝達手段の確保→広報臨時号、HP、LINE、告知放送、CATV、広報車、消防団・避難所以外の避難者把握→車中泊、自宅納屋(車庫)、ビニールハウス等、23在宅避難者への物資支援→避難所に取りに行きづらい(トラブルも発生)→保健師の戸別訪問時に情報と物資を提供→無料配布(ブルーシート、灯油、食料等)に人が殺到する(対応する職員も必要)、24孤立集落対策→冬期間に除雪しない路線があり、集落への道路が限られる、25避難指示→発令も解除も判断が難しい→対策事業がなかなか決まらないため、見通しが説明できない→長期避難世帯の認定、課題・失敗・困難事例(その他)、25災害ケースマネジメントを見据えた支援→エクセル管理も必ず氏名(フリガナ)と生年月日を管理→後に住民情報と紐付けて被災者支援システムに取り込むため→被災者支援をマネジメントする部署(4月からは復興推進課)、26被災者支援システム→システムを補完する被災者データベース(石川県)との連携→各課のシステム入力への対応、27各課からの課題の吸い上げ→担当レベルの課題が本部会議にあがってこない、28過去類似災害から学ぶ→地震規模、自治体規模、記録内容から益城町震災記録誌を最も参考にさせてもらった、29発災当初の記憶と記録がない→庁舎にたどり着いてからの記憶がない→記録を残す余裕が全くなかった。続いて、復旧・復興への取り組み、復興計画を8月に中間案を出し現在最終案の取りまとめ中で、「次世代が希望を持てる持続可能なまちづくり」計画期間(9年間)で行なっている。令和6年奥能登豪雨能登町被害状況。9月21日からの時系列での説明。最大雨量1時間86mm・24時間260mm・48時間371mm。死者2人、重症1人、軽傷1人。床上浸水13、床下浸水231、非住家3。インフラ被害、写真による各地区の状況・今後の対応をご説明いただき、質疑応答と意見交換。閉会で石巻市議会総合防災対策特別委員会原田豊副委員長御礼の挨拶。研修終了後、議事堂見学。夜は、派遣の及川剛さんを呼んで一献。