12月19日(木)達成

 10年前に「消滅可能性自治体」となっていた熊本県南阿蘇村について今年4月、「自立持続可能性自治体」に評価が変わり、奇跡の復活を遂げたという。「運」も大きく、隣の同県菊陽町に、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が進出。10年間で11兆1920億円の経済効果を生むといわれる。ただ、TSMCの恩恵を受ける周辺自治体は他にもある。南阿蘇村は景色がよく、移住者が村での生活をSNSで発信していく中で、評判が評判を呼んだという。特に、吉良清一村長のリーダーシップが大きいと感じた。「運」を呼び込むような明るく前向きな方だった。地元名物の赤牛を一緒に食べながら、地元ワインなどを熱心に宣伝していた。村長は毎日、午前8時半から9時半に「出張村長室」と称して、役場の玄関に座り、村民や、職員に何でも話しかけてくれという取り組みもしていたと夕刊フジに掲載された。さらに村では若者を呼び込むために、村長肝いりの手引書をつくったらしい。「隣の家には手土産を持っていきなさい」というアドバイスから、地域の草刈りなど、細かいことまで書いてあり、それが評判らしい。現在も400人ほどが移住の準備待ちをしているといっていた。吉良村長には中小企業の社長のような印象を受けた。会社の資産を最大限活用して、物を売り、人を呼び込む、まさにセールスマンだ。自治体のトップとは政治家でなく経営者であるべきと改めて感じたとワタミの会長兼社長CEOの渡邉美樹さん。重要なのは、本当に「SDGs」をやりたいかどうかだ。南阿蘇村のケースでは、SDGsと損得をうまくくっつけている。先の草千里ヶ浜を守ることがSDGsになり、村の生命線を守ることにもつながると。
 さて、今朝は今季1番の寒さで冷えた。さらに、山積する課題と年末で慌しい。女川町経由で石巻市内へ。そういえば、本日は悲願である女川町本土と離島の出島を結ぶ出島大橋の開通日だ。帰って来てからニュースを見て、出島側と本土側で同時にセレモニーが行われ、開通を祝う模様が嬉しそうだった。特に、出島架橋促進期成同盟会須田勘太郎会長「同盟会発足から45年という月日の中、やっとここまでたどり着け感無量でございます」には心が打たれた。出島大橋は全長364メートルのアーチ橋で、総事業費は約168億円。陸路がつながることで地域活性化に期待が寄せられているほか、女川原発で事故があった際には避難路としても活用されるという。先の南阿蘇村同様に期待できそうだ。市内での仕事を終えて、帰宅途中で渡波マーケットが開催されていたのでお邪魔。皆さんに、出島大橋の開通式の帰りですかと尋ねられた。寒さに負けずに、このような活動はしっかりと実をむすぶと信じて止まない。

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