1月27日(月)逆回転

 朝、日本経済新聞春秋でうまい文章だと感心してウルウルだった。『昭和の半ばである。幼い女児が痛ましくも交通事故で亡くなった。損害賠償を巡る裁判で、将来得られたはずの逸失利益が争いになった。「結婚年齢は平均25歳。働いたとしても25歳以降は離職するだろう。だからその先の逸失利益はゼロとするのが妥当である」――。実際にあった判決の一例だ。女性は結婚したら仕事を辞めるはず。金銭収入を生まない家事労働に財産的価値はないはず。そんな前提の判断である。司法は世相の鏡でもある…』と。そして、令和のいま、こんな判決が出ることもないと断言、まさにその通りだ。感動は、大阪高裁が聴覚障害のある11歳女児が亡くなった事故の訴訟で逸失利益は健常者と同じ判決を出したことだ。従来は健常者より減額する判断だったが、音声認識アプリなど十分仕事ができ、障害者の働きやすい社会ができるはずとした。結びで、差別する側はそれと気づかない。された側が勇気を出して声を上げ、議論が起こり少しずつでも前へ進む。「簡単に時計を逆回転させるわけにいかない」のだ。
 さて、午前中整理などに追われ、正午過ぎに自宅からイベントの件で蛇田へ。その後、石巻地方広域水道企業団議会運営委員会が午後1時30分から開催。議長挨拶後に委員長が第1回定例会について協議。会期は1月30日から2月3日までの5日間。企業長が経営方針を述べ、提出議案は5件(企業長から条例2件・予算と補正の2件、議会案1件)。須江山系導水管路耐震化事業など収益的収入71億9,354.9万円。条例は、人事委員勧告の給与と情報公開・個人情報保護審査会。
 午後3時からは、副議長と局長が挨拶して石巻地方広域水道企業団議会研究会が開催され、⑴応急給水活動のしくみについて、⑵有機フッ素化合物について、⑶財政収支見込みについてご説明いただき、質疑応答。職員の退職や人口減少などの影響がヒシヒシと押し寄せているのが見える。しっかりと安心安全を確保しながら、環境と経営の安定化に寄与したい。逆回転はできない。

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