2月18日(火)ウェルビーイング

 日本経済新聞Deep Insightに『「楽しい日本」が突く本質』が何とも言えない視点だ。「メキシコの漁師」という出所不明の寓話があるそうだ。細部を微妙に変えながら、インターネット上で流布してきた。米国で成功を収めたビジネスマンが、旅行先のメキシコで漁師に出会う。存分に眠って目覚めると、生活に必要な分だけ魚をとりに行く毎日。仕事の後は子供と遊んだり、妻と昼寝をしたり、友人と酒を飲んだりする。ギターや歌を楽しむこともあるらしい。ビジネスマンは無欲な漁師に助言する。もっと魚をとって売りさばき、水産会社を興して都会に進出し、上場後に高値で売却してはどうかと。金儲けの先に悠々自適の人生が待つと説くビジネスマンに、自分はその暮らしをもうしていると漁師が告げると。石破茂首相の論考集「私はこう考える」の中にも、同じ寓話が登場すると、今までの価値観に縛られることなく多様な人それぞれの幸せを求めるべきではないかというものを紹介し、先の施政方針演説は、その延長線にあったのだろうと。明治維新の「強い日本」、第2次大戦後の「豊かな日本」に続く「楽しい日本」を目指すと。堺屋太一さんの遺作「三度目の日本」に倣い多様な価値観を持つ国民全てが輝く国家づくりだ。批判ばかりではなくどういう方向へ一致団結して進めるかだ。人口減少で市議はもとより国会議員数が多いや参議院は無くても良いなど厳しい意見を伺う。『国民のウェルビーイングを高めるのは永続的な課題だ。「楽しい日本」の発想そのものを葬り去っては惜しい』と結んでいた。
 さて、娘を送って自宅に戻り石巻市社会福祉協議会牡鹿支所に伺った。その後、午前11時から「寄らいん牡鹿 新春交流会」が島周の宿鮎さか井で開催。11時に武田千春さんの進行で開始。先ずは、昨年ご逝去された阿部たか子共同代表に対して黙祷、私と小積浜区阿部長一区長さん、公益財団法人さわやか代表の挨拶、石巻中央ライオンズクラブ阿部浩Lの乾杯で交流会へ。達者と言うより元気パワーがみなぎる芸と当初からご支援いただいていた財団はじめ山形からも駆けつけて大変盛り上がり楽しい時間を過ごせた。メンバーの声を伺い地域コミュニティの大切さと政ごとへの思いも厳しい。リクエストをいただき2曲、元気に歌った。ウェルビーイングを肌で感じた。立春が終わって、二十四節気の雨水。より春が近づいている感覚になる鮎川。まさに雨水は「雪散じて水と為る也」、気温が上がって、雪や氷が溶けて水になるという節気。草木も芽を出し始める、萌芽の兆しが感じられるころで、小鳥たちの声も、心なしかにぎやかに聞こえるようだ。夕方から寒くなってきたと思ったら、強い冬型の気圧配置の影響で、夕方ニュースで、宮城県は雪を伴った西寄りの風が強まり、最も積もった時の雪の深さは大崎市古川8センチ、仙台3センチと平地でも雪が積もったと。違いに驚きながら、それでも一歩づつ春が近づいてきている。

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