4月8日(火)森は海の恋人

 河北新報及び各紙で紹介していた「人の心に木を植える」。3日に81歳で亡くなった宮城県気仙沼市唐桑町のNPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんは、自然を大切にする啓発の思想をそう表現した。報道で訃報を知りながら触れなかったが、漁協勤務時代にカキを通じて訪問したり、著書をいただいたり大変懇意にさせていただいた。センセーショナルだったのは、法人名の通り食物連鎖を表した法人名の通りのネーミングだ。山に木を植え、豊かな海を守る「森は海の恋人」。北海道をはじめ植林などの運動が盛んになり1989年に国連の持続可能な開発目標(SDGs)もない時代に先のネーミング(キャッチフレーズ)で全国発信。共感は大きく広がり、海外からも高い評価を受けた。唐桑へ行くと気さくに説明を受け懇談。カキ養殖業者の畠山さんが運動を始めたきっかけは、声なきカキの悲痛な叫びだった。全国で公害が問題化した高度経済成長期。森は荒れ、川や海が汚れた。気仙沼湾では赤潮を吸い込んだ「血ガキ」が大量発生。築地の市場に出荷しても返品された。今、温暖化でそれ以上のことが起きている。心から哀悼の誠を表したい。そんなこともあり、宮城県東部振興事務所水産漁港部で陸上養殖の懇談。直ぐ効くカンフル剤は見当たらないが、今、ここで行動しなければならないという思いで模索。帰りに、やすらぎで、くりはらおむすびさんや矢本のベビーカステラさんに寄り購入。その後は、勾玉の校長先生宅で懇談。自宅に戻ると道下漁業からギハギと大きな鱈をいただいた。そういえば、畠山さんが、国連機関から2012年、森林保護に貢献した民間人を表彰する「フォレストヒーローズ」に選ばれた際の米国ニューヨーク国連本部での受賞スピーチ。三つの森を訴えて熱烈な賛辞を受けた。「山の森」「海の森」そして「心の森」。人の心にこそ自然を敬う萌芽をと。そう原点である自然に敬意を表し大事にして心の森を豊にすることこそ打破できるキーポイントかもしれない。

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