10月7日(火)努力
『坂口氏 ノーベル賞』日本経済新聞。体内に侵入した病原体を排除する免疫の研究は日本の「お家芸」と呼べる分野だ。2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞する坂口志文氏だけでなく、18年に受賞した本庶佑京都大学特別教授も免疫研究の第一人者だ。しばらくノーベル賞から遠ざかっていたがいまも研究者の層は厚く、世界をけん引する優れた成果を次々と生み出してきたと。免疫は病原体のような外敵から体を守るが、時として自らの体を傷つける。バランスを保つうえで、坂口さんは過剰な免疫反応を抑える働きをする細胞「制御性T細胞」の存在を早くから提唱した。新しい着眼点は1980年代当時の免疫学からすれば異端だった。米国で過ごした10年弱の研究生活でも懐疑的な目を向けられた。転機になったのは、細胞の存在を証明した90年代後半以降だ。この細胞の発生や機能を担う原理を2000年代に解明して常識を覆したといえる。受賞に結実したのは、優れた洞察力に基づく信念で地道に検証した努力の結果だ。周囲の声を恐れず、道なき道を切り開いた不屈の精神に敬意を表したいと社説。また、免疫「ブレーキ役」応用加速 坂口氏発見の「制御性T細胞」、臨床試験は200件以上とも。いろいろ活用できそうだ。
さて、エンタメの打ち合わせや和み塾の打ち合わせを終えて、「千夢ワイナリー」直売所がオープンのお祝いへ。社長の吉田丈一さんとゼネラルマネジャーの高橋美雪さんの喜びはどれくらいだろうと拝察する。改めて、おめでとうございます。2023年4月に関係者と石巻市鮎川浜にある畑にブドウの苗木を約1200本植えたのが、昨日のことのようで感慨もひとしお。吉田さんのお母様の吉田輝さんが描いた日本画をモチーフにしたラベルを眺めながら、じっくりと味わう。千里の道も一歩づつ、努力したものが報われる。