10月24日(水)長崎県大村市
保健福祉委員会の視察2日目、長崎県大村市で視察項目は《地域包括ケアシステムの体制確立について》。大村市議会山下書記の進行で大村市 福祉保健部 大槻隆部長さんから御挨拶をいただきました。大村市は、人口は9万2千人と中規模で人口推移。長崎県央地区に位置しており、長崎市・佐世保市へのアクセスも良くベッドタウンとしての一面を持つ。現在もその傾向は強く、新興住宅地や大型マンションの開発が行われている。
大村市福祉保健部長寿介護課大村市地域包括支援センター長 前川靖彦さんから地域包括ケアシステムの現状と今後について説明いただきました。
大村市においては、長崎県下において高齢化率は最も低い24%だが、今後2025年度まで27.36%と上昇が見込まれている。なお、入院病床も現在は充足しているが、今後の県の医療構想における機能分化により 在宅医療需要が伸びることとなり、在宅療養環境を整えていく必要がある。また、認知症高 齢者の増加も見込まれる中、認知症の方が住み慣れた地域でいつまでも暮らせる環境づくりも必要となる。
*重点施策の推進
地域包括ケアシステム構築に向け、次の施策を重点的に取り組みます。
(1)具体的な施策の展開 高齢者が可能な限り住み慣れた地域や本人が望む地域で自分らしい暮らしを人生の最期
まで続けることができるよう、医療や介護・看護、生活支援などの地域の包括的な支援や サービス提供のネットワークとして以下の取組を行います。
1 在宅医療と介護の連携強化
2 疾病予防と健康づくりの推進
3 認知症施策の推進
4 地域が主体となった介護予防・日常生活支援体制の整備
(2) 地域医療・介護の総合確保に向けた施設の整備 地域包括ケアシステムの構築等を推進するために必要な施設等については、本計画及び第
6 期大村市介護保険事業計画に基づき、効率的かつ効果的な整備を進めます。
1 地域包括ケア推進拠点の整備 2 大村市民病院の整備と機能強化 3 地域密着型介護施設の整備
*大村市地域包括ケアシステム推進会議
大村市の特性に合った地域包括ケアシステムの構築に向けた方向性を検討するため、大村市医師会、大村東彼歯科医師会、大村東彼薬剤師会、大村市介護支援専門員連絡協議会及び大 村市の5団体の代表者による「大村市地域包括ケアシステム推進会議」を平成26年5月に設置。
推進会議は、本計画の策定から進捗に至るまで地域包括ケアシステム全体の管理責任を担い、推進会議の構成団体の次席級で組織する「推進拡大会議」が中心となって、本計画の骨子となる基本方針等について協議検討。活動内容を丁寧に説明いただいた。
☆一般社団法人大村市医師会 在宅医療サポートセンター(まちなか保健室)医療福祉連携室(看護師)楠本道子室長さんから在宅医療サポートセンターについて
*在宅医療と介護の連携強化 今後、長崎県の医療構想による病床が機能分化され、病床数が現在よりも減少していくことにより在宅において切れ目ない医療・介護のサービス提供ができる在宅療養環境を整えていく必要がある。また、緩和ケアを含めた終末期の患者に対するターミナルケア(看取り)を推進していく。
*在宅医療サポートセンターの設置【医師会】
将来の入院・長期療養患者の医療ニーズに対し、地域の医療機関がネットワークを強化して、自宅における在宅療養生活を支援する「在宅医療サポートセンター」を開設。在宅医療サポートセンターは、看護師や社会福祉士などの専門職が在宅療養者のために 365 日、24時間対応するコールセンターとしての機能を担っている。
*高齢者地域ネットワークの形成
地域にある医療や介護、福祉サービスといった社会資源を活用し、市民が健康で安心して生活でき
る社会環境を整備するため、地域住民や組織、医療や介護サービス等の関係機関が連携を図りながら、 地域主導型の地域ネットワークを形成し、高齢者の生活を支える新しい地域づくりを進める。
*まちなか保健室
*人生ノート
*がんサロン
など説明いただき、現場を見せていただいた。