5月17日(日)五観の偈

 新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が、世界に物価の下落をもたらしている。日本では緊急事態宣言が39県で解除され、各国でも人の往来や生産が戻りつつあるが、いざ経済活動を再開してみると消費が鈍い。解雇や賃下げによる個人の収入減が購買余力の低下につながったほか、感染への恐れが消費を萎縮させている。世界デフレの回避に向けた政策が不可欠だ、と日本経済新聞一面だが緊急非常事態宣言解除後も以前と厳しいのは確かだ。
 さて、我が家の菩提寺は、曹洞宗円通山吉祥寺で石巻市牧浜にある。新型コロナウイルス感染症対策で不要不急の外出を避け、アマビエを描いている時に、食事前の「いただきます」について曹洞宗に五観の偈(ごかんのげ)を書写して、改めて素晴らしいと思った。五つについて見てみる。
一には功の多少を計り、彼の来処を量る。
 この食物は、耕作され、種蒔かれてと限りない人々の手を経て、いま自分に与えられていることを思い、感謝していただきましょう。

二には己が徳行の、全欠を忖って供に応ず。
 食物をいただくについては、正しい行いができるようにと深く反省し、その恵みに値するよう、自己の向上を目指し静かにいただきましょう。

三には心を防ぎ過を離るることは、貧等を宗とす。
食べ過ぎないように、怒らないように、愚痴を言わないように三毒の迷いに気をつけ、味わっていただきましょう。

四には正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
  命をつなぐお薬と思って美味・不味・好き嫌いの心を離れて、よく噛み、大事にいただきましょう。

五には成道の為の故に、今此の食を受く。
  御仏の教えを守るよう、一切の生命に感謝し、自他の向上としあわせを目指し、毎日を大切に生きていきましょう。
 厳しい局面は続くと思うが、全てに感謝し大切に生きたいと思う。皆様も御自愛下さい。

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